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話し終えて俯く遙眞。
しんとした時間が流れる。
僅かな時間が永遠のように感じられる。
すぅ、はぁ、と深呼吸して、上体を起こす。
くらりと目眩がする。
でも、今はそんなのどうだっていい。どうにでもなれ。
俺の身体ならそれくらい耐えられるだろう??
腕をぐっと広げて遙眞に抱きつく。
はっと遙眞が顔を上げる。
遙眞の瞳がゆらゆらと揺れている。
「代わりだっていい…代わりだっていいよ……」
遙眞が俺に応えるように背に腕をまわす。
暖かい……
いつもの遙眞
倒れる度に、苦しくなる度にいつも無意識に求めていたそれ。
「と、も……」
ぎゅっと抱き締める力が強くなる。
傍にいる。
此処にいる。
このまま永遠に時が止まれそう思うほどの時間。
俺は本当に死んじゃうのかな、
なんて……
人はいずれ死ぬのに、
それがいつになるか分からない、
ただ、それだけのことなのに、
今思えるのは
まだまだ死にたくない、死ねない、
そんな思い。
俺の病気はそんなんじゃない。
悪化しない。
そう思えばきっとその願いは叶う気がした。
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