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「お前も死んじゃうの??」
まるで二度と離さないかのように強い力で抱かれてそう耳元で聞かれる。
俺が死に近いことを分かっているように。
そんなことは嘘だろうと、嘘だと言えとそう言えと言わんばかりに。
ごめん、遙眞……お前の話だけ聞いて何も言わない俺は酷いな。
俺が言わない、と、言えない、と、
分かっているからこそそうお前は問いかけたんだろう??
お前のために俺は死んじゃいけない。
遙眞の弟の代わりになるなら生き続けて遙眞の生きがいになりたい。
俺なんかが代わりなんておこがましいのは分かっている。
夕ちゃんになんてなれないのも分かっている。
でも、いつももらってばかりのお礼としてできることはきっとこれだけ。
だから、だから……
遙眞のために生きる。
「死な、ない…死なないよ……死ねるもんか……」
遙眞に負けじと遙眞をぎゅっと抱き返す。
離さないで欲しい。
このままずっと抱き締めていて欲しい。
お前の中で俺は生きる。
大丈夫、
俺の病気はどちらか、なんだ。
進行するかもしれない、
進行しないかもしれない、
それなら進行せずに平均年齢まで生き抜く未来を信じるよ。
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