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「そうじゃなくっ、て……」
なんていえばいいんだろう。
どうやったら夕ちゃんの代わりになれる??
違う、そうじゃない。
えっと、えっと、…
「剣道はもうしないの??」
咄嗟に出たのはその言葉。
「俺、遙眞の剣道姿見たい。」
夕ちゃんならどう言った??
夕ちゃんなら遙眞に何してもらいたい??
夕ちゃんを知らないけれど、もし、で考えた結果がこれ。
遙眞は一瞬目を真開き、そっと目を伏せ、ふと笑う。
「何、それ。」
いや、ほんと、何それ、だよな。
でも、これしかなかったんだもん。
夕ちゃんが見れない代わりに、応援できない代わりに俺が見るし、応援するし、お前の勝ちを喜ぶよ。
お前は逃げたんだって言ったじゃん。
なら、また立ち向かおうよ。
お前が立ち向かえるなら俺も立ち向かえる気がするから。
これが俺のエゴだってことは充分理解してる。理解できている。
でも、でも、これ以外考えられないから。
から、さ。
「じゃあ、俺が剣道を再びやり始めたらマネージャーにでもなってくれる??」
遙眞が冗談ぽく言う。
いいよ、それでも。
それでお前が俺の知らない昔の遙眞に戻るなら。
俺はお前の全てを知らないから。
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