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それは俺、月代 灯(つきしろ ともり)が高校2年になって最初の日のこと。
気が付けば保健委員にされていた。
よく分からないうちに保健室に居て…多分、始業式の時に倒れたんだと思うんだけれど……保健室の先生もいなかったから教室に戻ってみれば黒板には保健委員2名の下に月代という名前が書かれていた。
俺としては美化委員とか掃除の時だけとかその時だけでいいのをやりたかったんだけれど。
いないうちに決めるとかアンフェアじゃない??
その時も隣の席にいたそいつ、生水 遙眞(しょうず はるま)に「どうしてそうなったか」を聞けば、「そりゃ、お前が常連だからだろ」ってさらりと返された。
いや、そりゃ、ね…常連だけれど、も
でも、好きで行っているわけじゃないし、自らの意思でなんて行ったことすらない。
「お前は自分の体調言わないし、気付かないから毎日保健室行って先生に管理された方がいいんだよ。」
遙眞がぶっきらぼうに言う。
「何それ。」
「事実、だろ??」
「はぁ??ちゃんと自分のことくらい分かるし。」
「分かってねぇよ。今日だってぶっ倒れたじゃねーか。」
ぐぅのねの字も出ない。
けど、自分のことくらい分かっている。
それは事実。
今日、倒れたのだってたまたま。
今日は式の時に気持ち悪いとか頭痛いとか目の前がとかそんな感覚なかった。そんな感覚が式の時にある時はあるよ??でも、式の最後まで大丈夫な時は大丈夫だし。
だから、大丈夫なこともあるってことで自分のことは分かっている。
たまたま、何でか分からないけれどダメな時があるってだけ。
そんなのみんなでしょ??
俺だけじゃないよ、きっと。
そうじゃなきゃ式で倒れる人がいるわけないじゃん。倒れる前にその場から抜けるじゃん。
きっと、そう。
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