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朝会があって休み時間。
出席簿を持って保健室に向かう。
もう一人の保健委員とは交互でってなっているから今日が俺の番。
何も言わずに戸を開けて出席簿を置く箱に出席簿をそっと入れればそそくさ帰ろうと保健室を出ようとする。
バレたら面倒なのは分かっているから。
体調が悪い、とかそんなんじゃなくて、出席簿持ってきた時に健康診断が本当に行われているから。
バレずに帰れそう、そう思ったのに書類に目を通していた黒川先生が顔をあげて俺を見る。
「月代くん、今日は元気??」
「元気、ですよ??」
先生の問いかけににこやかに返す。
今日は本当に元気。
無理とかしてない。
それなのに、先生は体温計とか差し出してくる。
ここ隔日、定例となったことだけど面倒くさい。
どうしてか分からないけどほとんど嘘も通じないし。なんなの。
立ったままで体温計を受け取って脇に入れてじっとする。ぴぴっと電子音が鳴って取り出せば37.6度。
「何度だった??」
って問われるからそれを差し出すと少し表情を曇らせる先生。
いや、でも、こんなの平熱。
この前は39度だったから逃げられなかったけど、これくらいならいいでしょ??微熱なんてキツくない。
俺にとっては平気な体温だし。
「んー、まぁ、今日は本当に元気みたいだし…いいか、な。」
先生は俺をじっと見てそう述べる。
やった、良かった。
ぱあっと表情が明るくなる自分でも分かった。
授業は面倒くさいから聞きたくはないけどそれでも保健室で休んで何も無いよりかは楽しい。
それに珍しく先生からの許可がおりたのも嬉しかった。
「でも、少しでも調子悪くなったらおいでね。」
最後に先生がそう述べる。
うん。それは分かっている。
本当に無理だと感じたら他に迷惑だからちゃんと行く、よ。
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