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チャイムが鳴って今日の授業が全て終わったことを告げる。
やり終えた。今日はちゃんと授業最後まで出ることができた。
一気に身体の力が抜けてはぁとため息を吐いて机に突っぷせば昼と同じようにまた遙眞が頭を撫でてくる。
辞めろよと言わんばかりにその手を振り解けばその手は額に伸ばされる。
「熱、上がってんなぁ。」
自分の額と俺の額の温度を比べるようにして遙眞がいう。
上がってるも何も昼からずっと身体がぽかぽかと火照っている感覚しかないからそんなことは分からない。
怠いか??と聞かれたら怠いけれども、無理している程度でもない。
気が付けば帰りの会も終わって放課後となる。
遙眞がロッカーに置いていたマフラーやブランケットを俺に巻き付ける。
いや、俺は熱いんだけど。
それを取ろうとするけど睨まれて何も出来なくなる。
もこもこな状態で遙眞と下校を共にする。
こんな時は歩いて帰るのは許されず、遙眞の自転車の荷台に乗せられる。
反論したって何も変わりやしないし、体力の無駄だから遙眞に従う。
「ちゃんと掴んでろよ。」
そう言われて前に座る遙眞を抱き締める。
一人で帰るのが危なかっしい時に恒例となったこの二人乗り。
最初こそ恥ずかしかったけれども今となっては慣れてしまっている。
そして、なぜだろう体調が悪い時は思考も狂うのだと思うけれど、それが…遙眞の背中が心地いいとか感じてしまうのだ。
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