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寝苦しさに目が覚めた。
重い瞼を開けば、ティーシャツとスウェットが汗でびっしょりと濡れて、口の中は粘ついていて気持ちが悪い。
気持ちの悪さのもとであるパジャマを着替えたいと思い怠い身体を無理矢理起こせば世界が回る。
前に倒れそうになる頭を手で支えればはぁと溜息を吐く。
しばらくして少し回転が和らいで母親が枕元の棚に用意したミネラルウォーターのペットボトルを手に取る。
いつもは重さなんて感じないのに500mLという重さが重く感じる。
震える手でなんとかキャップを開けるとペットボトルの口元を口に近付ける。
ゆっくり、と水を口に含もうと心掛けたのに手が適わずにごぼりと一気に口に含まれて気管に水が当たる。
けほりと咳が漏れた。
それが良くなかった。
その咳でお腹に力が入って胃が反応する。
ぎゅっと何も入っていないのに動き始めてやばい気配。
どうしてこうも言うことを聞いてくれないんだろう、俺の身体は。
ペットボトルをキャップを閉めないままに枕元の棚に置き直せばベッドから降りる。
立とうと思ったのにがくんと膝が折れてその場に座り込む。
いやいや、言う事聞いてもいいんじゃないかな、俺の身体。
言う事の聞かない身体を鞭打つようにして、這うように部屋を出てトイレに向かう。
便器に俯くやいなや口からばしゃりと先ほど飲んだばかりの水なのか元から胃の中に収まっていたのか分からない液体が吐き出される。
それが胃の中に入っていた全てのものだった。
そうなはずなのに、じわりと刺激の強い液がこみ上げて喉を焼く。
痛みに咳が漏れてそれが逆効果。
咳の度にこみ上げた液がぽたぽたと水に零れ落ちていく。
「……っ、く……けほっ、けほけほっ……」
咳が止まらない。
喉が痛い。
苦しい。
頭が痛い。
気持ちが悪い。
なんなの、この苦しさは。
もう、本当に自分の身体を呪いたい。
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