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携帯の振動で目が覚める。
はるま:今から行くから!!
そんなメッセージがきたのが早かったか遙眞が早かったか。
足音が聴こえて遙眞が俺の部屋に来るのが分かる。
たく、こいつは俺の家を何だと思っているんだ。
いつから勝手に入ってきていいってことになったんだ。
「とも、少しは良くなったか。」
扉がゆっくりと開かれ、そんな台詞。
ノックをしたりとか、「入るぞ。」とか前もっての合図は無いものだろうか。
「うっせ……」
布団を身体に巻き付けながら扉の方を向かずにぽつりと呟く。
ちゃんと俺の胃は動いてくれたのか再び目が覚めた時、気持ちの悪さはなくなっていた。
良くなった、と言えばすむ話なのに素直になんてなりたくない。
「うっせ、じゃねーよ、馬鹿。」
誰が馬鹿だってんだ、誰が。
「あー、飯も少しは食ってるみたいだし、熱は……」
傍から見たら減ってるなんて分からない粥を見て何でこいつそんなに分かるんだ。
俺の了承なんて得ずにベッドの淵に座るし、熱を確認しようと額に手さえ伸ばしてくる。
「大丈夫、下がった。」
触れそうになった手を跳ね除けてごろりと寝返りを打てば遙眞を見る。
自転車を飛ばしてきたのかうっすらと額に汗かいていてなんなのこいつ。
「まぁ、確かに下がってそう、だな。」
手を跳ね除けられる元気も戻ったみたいだし、なんて付け加えて笑う。
あー、もう俺に必死にならないで欲しい。
めんどくさい。
いつかその気持ちを受け取ってしまいそうで嫌になる、から。
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