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21、好きと嫌いと気持ちいい
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抱き着いて何分経ったんだろう。
それくらい分からないほど必死にしがみついていた。
亮太は離れろという事に諦めたのかそのままじっとしていてくれている。
だけど、抱き締め返してはくれない。
それが悲しくて、でも拒否されていないことに安堵して、
好きだなぁ、て不意に思った。
それに気付けば木の実が落ちるようにストンと納得してしまい
「好き...」
と、口に出していた。
亮太は今朝、気持ちを伝えてくれた。
なら、まだ、急激に変化してないはず、
まだ、間に合うかもしれない。
亮太は優しいから、笑ってありがと、なんて言ってくれるんじゃないかな
けれど、亮太は、
「...遼、ちゃんと考えて欲しかった」
なんて、辛そうに、小さく呟いた。
密着している分その声は俺に届いて、俺はただ混乱した。
「か、考えた...ッ、俺、亮太のこと...ッ、わっ、!?」
言い終わる前に自身の身体は宙に浮きドサッとベッドの上へと雑に落とされた。
「考えてくれて嬉しいよ、だけどな、俺から見て今の遼は、俺に嫌われたくなくて必死になってるようにしか見えないんだよ、
思ってもらえるのは嬉しいけど、俺の好きと同じだって、思い難いんだ、
意識してくれるのも嬉しいけど、意識しただけでそんなに直ぐ好きになってもらえるもの...?」
確かに、嫌われたくないって必死になっている、今も。
気持ちに気づいたのだって今さっきだ。
でも、それの何が間違いなんだろう、
なら、亮太はどう思って好きだと言ったんだろう。
いつから好きになれば、好きでいれば信じてくれるんだろう。
「教えて欲しいッて顔してる...。
いいよ、教えてあげる、だから、ちゃんと考えてね、もっかい、」
スローモーションに見えていたのに避けられず次第に近付くお互いの顔。
「えっ、なに...んんっ、」
合わさった唇からは熱い温度が感じられて。
啄むように短いキスを繰り返す亮太は、まるで獣のよう。
怖いと、逃げたいと思いつつも、亮太のその姿に翻弄され、もっと、もっと、と欲しがってしまう。
キスなんてしたこと無くて、こんなに気持ちイイものなのかとぼうっとした頭で考える。
「遼、今凄くエッチな顔してる。」
亮太の少し低めの声が耳を擽る、耳元でそんなふうに囁かれたら頭の中は亮太ばっかりになって。
「りょ、た...ぁ...ひぅ...っ」
ぢゅうっと首を噛まれるように吸われると痺れるように身体が反応し、いつもの自分じゃないみたいで、こんな自分は嫌いなどと思いながらも亮太の服を必死に掴む。
「可愛いよ、遼」
欲情した亮太はとても色っぽくて、
吸い込まれそうになりながら亮太のギラッと光る目を見つめた。
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