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春亜side
本当は俺が支えてあげなきゃいけないのに、
『春亜の力になりたい』なんて言われるなんて…
ダメだな自分って思うと同時に、心配してくれて嬉しいって思う。
高校生になっていつからか、自分の本当のあるべき形とか、誰のために自分があるのか、何のために存在するのかが分からなくて怖くなった。
周りは俺が、たまたま容姿が良くて頭が良いから、そんな俺と居ると自分を勝ち組のように思えるらしく、高校でも女子や男子がたくさん群がった。
けど全員、欲に塗れた下心ばかりが見えて、自分を本当に必要としてるようには思えなかった。
本当に俺は生きている意味があるのだろうか。
何のために、どうして此処に自分が存在するのか。
夜になって、部屋で独りで居ると涙が止まらなかった。
毎日が怖くなって本当は逃げ出したかった。
誰にもこんな事、言えなかった。
けど結が、俺を必要としてくれて、
『そばに居て』って、言ったんだ。
ずっと探していた。
俺を本当に必要としてくれる人を探していた。
そんなお前を見つけて、
俺はこいつのために、『生きよう』と思えた。
もうお互い、苦しい思いなんてしなくていい。
辛い思いも、痛い思いもしなくていい。
ただただ、そばにいて支えあえたら、それで幸せだから。
俺は、こいつのために生きよう。
ずっと一緒に居てやろう。
もう何にも、苦しめられないように。
お互いを守りながら。
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