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結side
春亜の家は、凄く楽しくて暖かかった。
俺の家とは全部が正反対で
お父さんが仕事から帰ってきたら、ただいまって言うこと。
ベッドがフカフカなこと。
ご飯の時に、食卓に家族が揃うこと。
部屋が明るいこと。
温かいご飯が机にあること。
みんなが笑っていること。
部屋が綺麗なこと。
殴られないこと。
怒鳴られないこと。
俺の椅子が、用意されてること。
話しかけてもらえること。
全部、俺の家とは違う。
違うからなんだか、胸がきゅうってなる。
春亜がそんな俺の顔を見て心配をしてくるから、もう考えるのは止めたけど、そしたら俺ってこんなに幸せでいいのかなとか、もしかしたら俺のことを連れ戻しに母さんが急にくるかもって、また他に余計なこと考えて怖くなる。
ずっと考えていたのは、なんで俺の家だけこんなにも汚く、汚れて暗いのだろうって。俺が生きてるから、ここはこんなにも暗いのかなってずっと不安で、窮屈で…どこに居ても否定されるばかりで。
もういっそ消えてなくなりたいなんて、もうここ何年もそんなことばかり、思っていた。
けど消えてしまわなくて良かったのかもしれない。
たくさん辛くて息苦しくて、本当に痛かったけど、ここまで頑張ってこれたから、今まで不幸で居たから、今はこうやって春亜がいる幸せを貰えているのかもしれない。
春亜が俺の目の前に現れて、初めて神様っているんだなって、初めて神様に感謝した。
目をぎゅって瞑って、またぱって開けると、
夢じゃないって、目の前に春亜がいてくれる。
好きって言ってくれる
それで俺は嬉しくて、照れくさいけど、嬉しいから俺もって返す。
人生で今が一番幸せで、幸せでたまらない。
いつまで続くか分からない幸せ。
幸せすぎて、それが怖くなる。
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