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結side
『…おい、どうしたんだよ、、食べらんない?』
春亜が心配している。春亜の家族も、それまで話をしていたのに急に静かになって、俺を見つめる。
心が痛い。
なんで俺は『食べる』事が出来ないんだろう。
食べるという行為が普通なら出来るのかもしれないけど、今の俺にとってはもう、苦痛でしかならない。
春亜は辛い?って聞くけど、俺は言葉が出なくて涙をぴょんぴょんと飛ばしながら頭を降ることしか出来なかった。
『…母さん、ごめん。上に飯持ってくわ。
俺先にこいつ連れてくから、後で持ってきてくれないかな。
あと、食べやすそうなやつだけ入れて持ってきて。多分そんな持ってきてもこいつ食べらんないから、本当に少なくていいよ。』
春亜は急に席を立って、お母さんにそう言った。
はっとして、俺は春亜の顔を見た。
春亜の服を掴んで、上に移動することを必死で抵抗する。
「ごめ、なさい…ごめんなさ、、、お願い、見捨てな、いで……やだ、やだ、ちゃんと食べるから……」
『何、大丈夫。俺はずっと居るよ。ほら、怒ってないから上に行こう。おいで。』
笑顔で俺を見つめる春亜は、優しい声でそう言った。
春亜の家族の前で、こんな姿を見せるのは本当に情けなくて、けど春亜にしか頼ることのできない俺は、春亜が差し出した手を握って、席を立ち上がった。
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