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春亜side
結は俺が思っていたよりも、いろんなことに恐怖感を抱いていた。
それは食事にもだった。
結の精神がデリケートと分かっていたなら、もっと他に配慮してあげられることはあったはずなのに…
結の彼氏になれたからって舞い上がって、結のことが見えていなかった訳では無い。
しかし今1番大事な事を、自分の中心軸からブレないようにしないと、俺は結のためにあるのだから。
こいつを救ってやれるのは俺しかいないのだから。
俺は結の手を取ると、2階の自分の部屋へと足を運んだ。
結は声を上げることなく、ただただ涙を流していた。
部屋に入るとベッドに腰を下ろさせて、俺は結の目の前で床に腰を下ろした。
手を握って、結を傷つけないように優しく問いかける。
『結?ごめんなお前が辛いの気づいてやれなくて。』
結は口を開かずに、俺が握った結の手をずっと見つめていた。
『結、』
その時、母さんがご飯を持って俺の部屋へ入ってきた。
母さんも結を心配しているようで、けど俺はありがとうとだけ言ってご飯を受け取った。
再び結に向き直って、話しかける。
『大丈夫、大丈夫。どこにも行かないよ。』
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