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春亜side
すると、結が俺の顔を見た。
決して顔色が良いとは言えない結の顔をあらためて見て、すごく胸が痛くなった。
何がそんなに悲しいのか、結の涙はとめどなく流れてくる。
俺はそっと結を抱きしめて、背中を摩った。
俺の肩に顔を埋めた結は服を掴んで、それが必死で俺をつなぎ止めているように思えた。
『どうした?俺はずっと結の隣に居るよ』
「ひっ、ふ……うっ…ふぅ、、っ、ご、めっなさい…っ、」
『なんで謝るの!結はなんにも、悪いことしてないだろ?』
「で、も、、ふっ……ご、はん、食べられなかった……俺……っ、辛かった、っ…う、ふぅ、、」
『うん、何が辛かったのか、教えてくれる?』
「…だって、俺の家では、、こんな風に食べない、急に苦しい………
いっつも白い、電気の下で、、ふっ、う、1人で、ぐちゃぐちゃに、なった部屋で、、コンビニの、おにぎり食べてた…
誰も、居なくて……誰か来たと思ったら、2階に連れてかれて、、
春亜、い、まから、、言う事、内緒にしたかった訳じゃないから、怒らないで…」
『うん、大丈夫。ちゃんと聞くよ』
それからしばらく嗚咽が酷く、話し出さなかったが落ち着くようにと頭を何度も撫でてやると結は何かを決心したかのように、大きく息を吸い込みまた話し始めた。
「家に帰ると、バイ、ト……ふっ、う……ひっく…」
『うん、それで?』
「バイト、家で、、男の人たち、居てっ、、俺が、相手す、、るの…嫌だって、
なのに、母さんは、、ひっく…男の人たち、連れてきて、、
俺に、男の人たちが、お尻に、痛いのに、、入れてきたり…っ 精液、ご飯だよって飲ますの、、、っも!!嫌だ!!!!うぁぁ……!」
『大丈夫!大丈夫だから!泣くなよも~~~!』
大声で泣き出してしまった結を落ち着かせるためにさっきよりもずっと強く、抱きしめた。
励ますように、笑いながら背中をより一層摩ってやった。
声が、出せなくなるかと思った。
必死に取り繕った
こいつには、一体どれほどの「不幸」を背負わされていたのだろう。それともまだ、隠していることがあるのだろうか。
俺はその話を聞いて、物凄く憤怒していた。
笑ってなんていられなかった。
母親が子供にバイトで男達の下の相手をさせるなんて、何処にそんな馬鹿げた親が存在するんだ。
こいつを苦しめて、本当に許せない。
でももう、そんなこと一刻も早く忘れさせてやりたかったから、それ以上はもう聞かない。
だから、俺が笑顔になってやるしかないんだ。
もういいんだ。辛いことはもうここには無いから。
身体を両腕でしっかり抱きしめて、頭を撫でてやる。
『ほら、俺は腹減った!!お前も一緒に食べよう!』
俺はベッドにもたれて床に座ると膝の上に結を座らせた。
高校生の癖に本当に軽すぎる。だから膝に乗せても、ちっとも辛くなかった。
母さんが持ってきてくれたご飯はまだ温かく、俺は箸で鍋の野菜をとると、結の口のそばまで持っていった。
いやいやと首を振って、俺の胸に顔を引っつけている結に俺は言う。
『結、ご飯ってみんなで食べると本当に美味しいんだよ。みんなでいると笑いなが食べるから、たくさん幸せになるんだよ!
しかも、ほら母さんが作ったやつだから、世界一上手いと思う!!
ほら食べてみて、最初は少しづつでいいよ。俺と一緒に美味しいご飯食べれるようになろう?』
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