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結side
春亜が『ご飯は楽しい』って教えてくれたから、
差し出されたその小さな野菜を1口食べた。
優しい味で、それが身体の中いっぱいに広がった。
温かくて、少し噛んだら口からなくなってしまった。
『どう?美味しいか?』
こくこくと頷くと、よっしゃ!と声を上げて、まるで自分の事のように、すごく喜んでいた。
『じゃあ俺も食べよっかな!
あ~~~腹減った!!いただきます!!』
俺はそこからは自分で箸を使って食べたけど4口ほど食べたら疲れちゃって『ごちそうさま』をした。
食べる度に、口の中に『美味しい』が広がって、食事って生きるために仕方なく、無理矢理するものじゃなくて、笑って楽しくやるものなんだって初めて分かった。
春亜は食べるのがすごく早くて、やっぱり部活とかやってる人は食べる量も全然違うなって思った。
俺も春亜みたいにかっこよくなれたらな…
それからすぐにお風呂に入ると、脱衣場には来ていた服が無くなっていた代わりに真新しいパジャマが置かれていた。
リビングへ行くと、春亜のお母さんが俺を見て笑顔で頭を撫でてくれた。
『すっごい似合ってる!良かったわ~~!おばさん、結ちゃんのために買ってきたの!歯ブラシも結ちゃん専用の、準備しておいたからね~』
「あ、ありがとうございます、」
『そんな敬語なんて硬っ苦しくならないで!おばさんの事は本当のお母さんみたいに思ってくれていいからね!』
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