アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
97
-
結side
電車に揺られてまもなくついた場所、そこは
『ほら、あそこ見て。』
春亜の指さす方向。そこには大きなお城があった。
まさか、
「ディズニー……ランド?!」
春亜はイタズラが成功した子供の様にニカッと笑い、『そうだよ!』と、答えた。
『この日のために貯金してたんだ。間に合って良かったよ』
「え、、な、んで。そんなの悪い!!ごめん、帰ったらお金下ろしてく、『やめて!そういうのいいから!!
俺は結と来たくて、ほら、俺いっつも部活で家に放置させてばっかりだったし、家だとなかなか二人っきりになることもなかったから、結と普通の恋人同士がしているような事をしてやりたかったんだ。
だから、いい。彼氏の俺に今日は全部任せて!』
目の前でそう豪語する春亜は、俺の手を取って『行こう』
と言い、歩き出した。
大きな背中、暖かい手
俺は、甘えてもいいのかな。
春亜の笑う横顔が本当に楽しそうで、嬉しそうで。
本当に小さい頃、一度だけ夢の国に連れてきてもらったことがある。
父さん、母さんと3人で沢山沢山笑ってたんだ。
その時買って貰ったばかりのポップコーンを俺はばらまけてしまって、泣いていたら父さんが頭を撫でてもう1個買ってきてくれた覚えがある。
それで、父さんの手を繋いで歩いたんだ。
今、隣で手を繋いでくれているのは春亜。
大きくて暖かいお父さん、みたいな手。
『幸せなクリスマスにしよう』
「…うん!」
握られた手を強く握り返して、春亜に向けて笑った。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
97 / 119