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話し終えた時には、また胸が少し苦しくて呼吸がしずらかった。
加賀くんは俺の様子がおかしいことに気づいたようで、黙って背中をさすってくれた。
『お前、1人が好きなのかと思ってた。俺、話しかけようとしたんだ、春川に。ごめん、話しかけれなくて。
あ、けどお前、どっちにしろ俺のこと怖かったか。』
「、、、いや、謝らないで。俺が悪いんだ全部。
加賀くんだって知らなかったんだし、しょうがないよ。」
それでも加賀くんはまた小さくごめん、と謝った。
『俺さ…、お前は俺のこと、怖いかもしれないけど。
俺はお前と…その、友達っていうか、、仲良くなりたいから、、、だから俺、お前にいつか心許してもらえるように頑張るよ。
今は信頼出来ないかもしれない。今までのブランクだってあるかもしれない、けど俺は1年かかってでも、お前に心を許して貰えるように努力するよ。
だから
その時は友達になってもらっても……いいですか?』
そうやって言って、加賀くんはまたふっと笑った。
涙が止まらなかった。
こんな面倒くさい俺なんかに、
男性恐怖症の俺なんかと
仲良くなりたいなんて、
ましてや『友達』になりたいなんて人
いると思わなかったから。
いつも自分から『線引き』していたから
本当は寂しいのに、
ずっと寂しいのに、
だから、加賀くんの言葉が
あまりにも本物で、嬉しかった。
加賀くんに出会えてよかったって、心から思った
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