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それから数日が過ぎた。
特に何も無く、春亜と居る幸せな生活を送っていた。
『今日まで』は。
バシャっ
一瞬、何が起こったか分からなかった。
足元が、濡れている。髪の先から水が滴り落ちる。
水を、かけられた、、、、?
今日も春亜と帰ろうと思い、帰りにトイレに行くから待っててって伝えて、ついでにスマホも見ておこうと思い、通知を確かめていた。
だから少し、したら出ようと思って個室に入った。
外側から声がする。
『春川くんさー、最近加賀くんにくっ付いてばっかだね。
何やってんの?』
女の子の声だ。
誰かは分からない。知らない、春亜以外。
そこには数人の女の子と男の子が居るようで、俺の事をクスクスと、バカにしたように笑っていた。
ガンッ!!!!!!!!
ビクッと俺の肩が揺れる。
え?蹴った?な 何の音???
何?怖い、怖い怖い、、、っ!
『お前、マジで邪魔。
頭悪いなんも出来ない、なんの取り柄もない馬鹿が、加賀くんと居るの、まさか許されると思ってんの?』
『加賀くんは秀才で心が優しいから、
独りぼっちでカワイソーだったあんたと仕方なく居てくれてるの!!
ホントは邪魔なのにね!!加賀くんかわいそっ!!!』
邪魔…
『お前のせいで、加賀が最近つるんでくんなくなったんだけど、どう責任とってくれるつもり?
お前みたいなやつ要らないから。
とりあえず、教室からいっその事消えて?目障り。』
要らない……目障り…
耳鳴りがする。
頭の中が警報が鳴ってるみたいに、五月蝿い。
ドアを固定してくるような音は聞こえなかった。
自らこの施錠を解いて外に出て相手の顔を確認することくらいいくらでも出来た。
けど、どうしても震えが止まらない。
誰か分からないけど、怖くて仕方が無かった。
開けたら何かされるかも。
何より、男がいる。
そう思うとガタガタと体が震えて、その場から1歩も、歩くことも座ることも、出来なかった。
『次は無ぇから。お前みたいなやつ、どうとでもなる。
俺らと加賀、邪魔してみろ。
二度と学校来れないようにしてやるよ。』
奴らが出て行った後、壁に持たれてトイレの床に座り、
暫く個室の中から動くことが出来なかった。
やっぱり俺が幸せになんてなれないんだ。
いつか不幸がまた来ると思ってた。
幸せになっては、いけない。
忘れてた。
俺は要らない、存在だったんだ。
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