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昨日、春亜には嘘のメールを入れて先に帰ってもらい、俺はベタベタの服のまま、一人で家へと帰った。
そのせいか、風邪をひいた俺は朝から体が重く、頭が割れるように痛かった。
昨日の帰りの、最後の言葉が怖くて春亜には一言も喋りかけることが出来なかった。
久しぶりの『独りぼっち』は、とても1日が長く感じて、辛くて、苦しくて………
ああ、元通りなんだなと感じた。
家に着く時にはもう限界だった。
ベッドで一人、ただただひたすらに泣いた。
一日、たった一日春亜と離れただけでこんなにも心が苦しいって、涙が止まらないって、俺は春亜に依存しすぎた。
少し前に戻っただけなのに、何を自分はこんなに泣く必要があるんだ。
いつもの、事じゃないか。
けど、どうにも胸が苦しい、ただただ、苦しい……
本当は春亜と、一緒に居たい。
話したい。
顔が見たい。
一緒に笑いたい。
声が聞きたい。
でも、俺にはこれが許されないから。
春亜といる事が許されないから。
少しでも期待なんてしてはいけない。
自分は『要らない』存在。
幸せになるなんて、もってのほかなんだ。
そう自分に言い聞かせた。
俺は暗い部屋で、一人でいる方が性に合っている。
自分にはこれが当たり前。
部屋にいる時、誰かがインターホンを鳴らしたが体が重く出る気にもならず、布団にうずくまってただひたすらに悲しみを零し続けていた。
気づいた時には、もう朝日が登り始めていた。
いつものように新しい一日がやってくる。
涙は、流して流して、一晩中流したら枯れてしまった
悲しみだけが、ただただ増すばかり。
俺の人生は、本当に地獄の様
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