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保健室へ春川を抱いたまま入っていくと、保健室の担当の佐伯先生が一瞬驚いた顔をしていたが状況を読んでくれたらしく、ベッドを快く貸してくれた。
春川をそっと寝かして、手を握る。
可愛そうな春川…ずっとうなされている。
もう大丈夫だよ、救急車来るからな、
そう呟いて春川の髪をさらさらと撫でてやる。
『……加賀くん、春川くんどうしたの…?』
佐伯先生は男の先生だけど優しく、生徒からも絶大な信頼を置かれている人だ。
普段は大人しめの優しい先生だけど、いざとなると
凄く頼れる、この人こそまさに保健室のスペシャリスト
って感じの人。
俺は佐伯先生に、春川が今日1日熱があって、我慢してたんだと思う、朝から様子が変だったということを伝えた。
すると佐伯先生はちょっとごめんね、と言って春川の状態を確認するために身体へと触れた。
ビクッと過剰に反応する春川の身体。
こんな時にも男性恐怖症が出てしまうのは、他人から触れられるのがまだ、恐怖でしかないからだろう。
その間もずっと俺は春川の手を握って、そしたら春川も無意識か、震えながら握り返してきて、俺は春川に大丈夫だと繰り返して言い続けた。
『先生、救急車呼んでるんです。』
「ああ、知ってるよ。さっきほかの先生から連絡貰った。
春川くん、相当無理してたのかな…ちょっと、、、
熱酷いね。これはいつ倒れてもおかしくなかったよ。」
顔を顰めた先生があまりにも深刻そうに言うから、冷や汗が止まらない。
なんでこんな事に、、
『……俺が…俺がもっと早くに
気づいて行動してあげれてたら……』
悔しさに唇をきゅっと噛んだ。
「加賀くんのせいじゃないと思うよ。
そんな思い詰めないで。今からちゃんとした医者に見てもらうならよっぽど安心だから。」
そう言って佐伯先生は俺の頭を、慰めるかのようにポンポンと撫でた。
春川、もう少しだから、頑張れ。
俺もずっと傍にいるから
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