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佐伯先生は変わらず真剣な表情で、俺の話を聞いていた。
『あいつ、母親に暴力振るわれてます。
俺たち、最近仲が良くなって全部話してくれました。けど2、3日前から避けられてます。理由は分かりません。
その間に母親にされたのか、それとも随分前にされたものか、』
春川はずっと苦しい思いをしていて、ずっとその間1人だったんだ。頼れる人なんていないから、ならって諦めていたんだ。もうどうしようもなく。
「いや、昔のアザじゃなくてつい最近された可能性が高いかもしれない。俺が見た限りではここ最近につけられたような新しいアザだったから。」
『…そうでしたか、、』
「春川くんさ、加賀くんが春川くんといるようになるまでいつも1人で、あ、、クラス一緒だから知ってるよね………
けど、なんかみんながわざと避けてるとかじゃなくて自分から距離を作ってるみたいな………
毎日春川くんの姿を見てたわけじゃないから全部は知らないけど。
けどさ、春川くんを最近見るといつも隣に加賀くんがいて、それがすごく楽しそうだったから、よかったなって思ってて。
春川くんが、何を思って加賀くんと距離をとってるのかは分からないけど、春川くんから離れないであげて。」
先生は、きっと本当に春川のことが心配だったんだろうなって思う。
こんな必死にお願いされて、断るわけがないしまず頼まれなくたってあいつから離れるなんて有り得ない。
『お願いされなくたって、離れませんよ』
俺はにこりと微笑み、そう答えた。
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