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佐伯side
春川くんさっきあんなだったから、ごねるかと思ったけど、意外とあっさり聞き分けてくれて助かった…
加賀くん、どこいったんだろう。
病室を出てふらふらと探していると、ロビーの端の椅子に腰を下ろして、俯いている加賀くんがいた。
目の前まで近づく。加賀くんは僕の存在に気づき、顔をあげる。
────。
『……………………あいつ、あんなんされてたなんて、、俺全然知らなくて…用事あるから先帰るって言われて鵜呑みにして……』
『あんな』とは、きっと春川くんが水をかけられたことだろう。そんなの、知らなくて当然だ。聞かされてないんだから。
けど加賀くんは、今も自分を責めている。なんで先に帰ったんだろうって…
「、、加賀くん。もう、病室戻らないの?」
加賀くんはきっと、戻りたいって思ってる。だって、そんな目をしてる。表情が、そう訴えている。
けど加賀くんは
『…戻りません。』
僕に、そう答えた。
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