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「…………どうして、」
『、、、、、、先生には言ってなかったけど、、、、あいつ、実は男性恐怖症なんです。
だから前に先生が言ってた「自分から距離を作ってる様だった」って、本当なんです。
あいつは今まで怖くて、信頼してた人に裏切られて、人を信じることが出来なくて距離をとることしか出来なかったんですよ。』
正直、驚いた。男性恐怖症だったなんて、けど知っていれば今までの春川くんの行動にも納得がいく。
『1人だった』のと『1人でいる』のではわけが違う。
加賀くんは驚く僕を見ながら、苦笑いで隣に座るように促し、僕が座るとまた話を続けた。
『けど…………心のどこかで「寂しい」って、誰か助けてって、、、自分で口には出してなかったけど、確実に助けを求めてたんです。
あいつ、あれでめちゃくちゃ寂しがり屋ですよ。
だから、だからこそあいつにとって『男性恐怖症』は重荷でしかなかったんです。
親に生まれてから殆どの間、愛されずに暴力だけをうけて育って、信頼してた人に裏切られて、毎日毎日独りぼっちで生きてきたあいつは、その苦しみから助けて欲しいって、俺に求めたんです。俺に、縋ってきたんですよ。』
きっと、僕には到底理解の出来ないほどの辛い人生を送ってきた春川くんにとっては、加賀くんはもはや一種の薬、精神安定剤の様なものなのだろう。
「…それなら、加賀くんがいないとあの子は、、、、、、きっと、泣き叫び続けるよ。それでも、、戻らないの?」
『……俺は、、正直どうすればいいか分かんないんです。春川のあれは、依存だって分かってます。けど、、、、、やっぱり、一緒にいてやった方がいいんですか?
俺は…!俺は、それがあいつを甘やかしてるだけなんじゃないかって、、あいつのためにならないんじゃないかって、、
俺がいなくなった時!あいつ死にますよ!!………あいつの人生で、俺が全てじゃないんですよ!!』
加賀くんは、決して春川くんと距離を置きたいとか、離れたいとかそんな事じゃなくて、春川くんの為を思って、自分なりにあの子のことを考えてあげたんだ。
加賀くんも、春川くんも今は辛いと思う。
大人として、二人が間違っていることをしたら止めなければならない。けど二人の間でなにか解決しようとしているんだ。安易に口出しはしてはいけない。
僕には、2人を見守る義務がある
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