アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
58
-
春亜side
それから3日経った。
俺は、春川へ会いにいっていない。
…今、あいつは頑張る時で、それを離れずに、、離れているけど遠くから見守ってやるのが俺の役目だ。
あいつは俺がいなくなってしまっても、頑張れないと駄目なんだ。
それが今のあいつには酷な事だと分かっていながらも、俺はそうするしかないと思った。
今あいつが俺の次に、少しだが心を開いてる人間は、佐伯先生だ。
そのためあいつの様子は先生が見に行ってくれている。
あいつはもう男性恐怖症と言うより若干、対人恐怖症気味なのか人との接触を極度に避けたがるから担任が病院に行くなんて喋れたもんじゃないらしい。
それでいて他人には隙を見せようとしないから、看護師が着替えを手伝おうとしたり移動の手伝いをしようとすると触るなってがたがた震えながら吠える。
他人が自分に触れようとする行為が怖いのだ。
なにかされるという恐怖が拭えないのだろうと医者から話を聞いた。
最初は俺がいなくなって泣いてばかりいたらしいが、最近は泣くことをやめ、外をしきりに見てはぼーっとしている事が多いらしい。
飯は、一切取っていないと聞いた。
そのため点滴で栄養補給をしているらしいが、体は更に痩せているようだ。
今だけ。
今だけなんだ。耐えるのは。
帰ってきたらめいいっぱいにあいつを甘やかしてやろう。
涙を零した時には大丈夫って言って頭を撫でてぎゅってしてやるんだ。あいつはそれが一番嬉しそうな顔をするから。
男同士とか、もうどうでもいい。
周りにどう思われたっていい。
俺があいつの一番近くの存在になって、一番近くにいてやるんだ。
離れているけど、離れていないから。
ずっと近くにいる。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
58 / 119