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結side
冷や汗が止まらない
息が、出来ない
動けない
『あんた!なにやってんの!!!何回も親に親にって!病院が連絡寄越して!迷惑ったらありゃしないわ!!!お前!本当になんで生きているの!死ねばよかった!!』
そう叫びながら、俺の髪を引っ張っては叩く
俺は声にならない叫びをあげる。
痛くて、声にも出ない
涙だけが、ただひたすらに止まらない。
『あんたは!要らない子なの!!必要ない!金さえ渡してればいいのよ!はやく退院して働けって!!!』
この人の叫びを聞いた看護師が、バタバタと駆けつけて部屋に入ってきた。
「ちょっと!!貴女!春川くんに何やっているの?!離れてください!!!この子はまだ…!」
『うるさい!あなた達になんの関係があるって言うの!私はこの子の母親です!!連れて帰ります!!!』
看護師が、俺を守ってくれた。
母親から俺を引きはがすと、怒鳴り散らして話し合っている。
俺はガタガタと恐怖に、呼吸が出来ずに震える事しかできない。
「春川さん、あなたが例えこの子の母親だろうとあなたの状態を見る限り引き渡すことは出来ません。
まだこの子は必死に戦っています。尚更、あなたなんかに渡せない。」
一人の看護師が、真剣な表情で話す。
ほかの数人の看護師は、俺を庇い、息をさせようと背中をさすってくれる。
その時、佐伯先生が騒ぎで乱雑となった病室へと入ってきた。
目を見開いて驚いている。
佐伯先生はすぐに俺の元へ来て、なんの騒ぎですかと周りの大人に怒鳴った。
俺は佐伯先生が来てくれたことに酷く安心して、抱きついた。
「先生…!先生!!」
『ごめんねこんな日に遅れて。仕事が立て込んで…本当にごめんね、もう大丈夫だよ。』
小さい子を宥めるかのように、頭を撫でてくれる。
春亜とは全然違う手。それでも、なんだかすごく安心した。
叩かれた頬が、ヒリヒリと痛む。
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