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結side
『……チっ、、あんた、覚えときなさいよ。あたしを怒らせたこと、いつか後悔するから。』
低く、恐ろしい声でそう言葉を吐き捨てると、バンッとわざとらしく音を立てドアを閉めて部屋から出て行った。
佐伯先生は終始あの人を睨みつけていたが部屋から出て行った瞬間、俺に目線を合わせ、優しく話しかけてくれた。
『もう大丈夫だよ、頑張ったね、頑張ったね。』
母親が出て行った後もなかなか息が整わなくて、涙が止まらなくて過呼吸が始まっていた。
「春川君!!聞こえる?!ゆっくり息をして!ほら、声にあわせて!一旦吐いて!!そうよ、はい、また吸ってー…吐いてー、、上手!!その調子…また吸ってー吐いてー……」
看護師の合図に合わせて、呼吸を整ようとする
上手く出来てると思ったら、またさっきの出来事を思い出して、その瞬間一気に胸が苦しくなった。
「あ、、、っグァッ…カっ!!はぁっ、、っひゅ、はっ」
『春川くん!!春川くん聞こえる!?落ち着いて!ほら、わかる?!春川くん!春川くん!』
だめだ、もう息が苦しくて辛い
俺は何を考えているのか、わけもわからなくなって意識が飛ぶ寸前だった
『ここで!!止まっていいの?!春川くん!一週間、頑張ったじゃん!!明日は加賀くんに会えるって……!春川くん、しっかりして!!!』
佐伯先生が震える声で、俺にそう言った。
ハクハクと口を動かしてみる。涙でいっぱいで目の前がぼやけているけど、微かに見えた佐伯先生の顔。
本当に俺のことを心配しているみたいで、焦っていて、少し泣きそうな顔をしている。
『…ほら、しっかり。大丈夫大丈夫…』
佐伯先生が俺の胸をさすりながら息を先生に合わせて、吸って吐いてって、ずっと優しい声で言ってくれる。
涙は止まらないけど、少しだけだけど、呼吸がやっと楽になった気がした。
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