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結side
「春亜、それはだめだよ。俺は………これ以上春亜に甘え続けるわけにはいかないでしょう?」
春亜の顔を今は見ることが出来ず、下を向きながらそう言うと春亜が自分よりもひとまわり大きな手を、自分の手の上に重ねて俺に語りかけた。
『違うよ、春川。それは「甘え」とかじゃなくて俺がお前を、お前を傷つける奴から「守る」ためなんだよ。
お前が俺の近くにいてくれなきゃ、守ってやれないよ。
だから、俺の傍にいて欲しい。必ず……守るから。』
春亜の表情はとてもふざけてるとは思えないほど、真剣な眼差しで、俺を見つめる。
春亜の手が乗った、俺の手に力がきゅっと入る。
なんで、こんなに優しいの?
今までこんなに、俺を見てくれる人に出会ったことなんてなかったのに。
春亜はなんでそんなに真剣な目で、俺を見つめる?
「春亜の、春亜のそばに居たら、、俺を守ってくれるの?
俺はもう、殴られたりしなくてもいいの?
母さんは俺が生まれてきたからいけないって、だから生まれてきてしまった俺が悪いのに『違うって!!!!馬鹿か!!お前が生まれてきたのを、なんで母親に否定されなきゃいけない!!
俺が!お前が生まれてきてくれてよかったって!出会えてよかったってどれほど思ってるのか、知らないだろ!!』
春亜が机をバンっと叩いて、売店で買った袋の中身が倒れた。
その時俺の肩がビクッと跳ねたのを、春亜は見ていて、怒っているくせに、ごめん…と謝った。
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