アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
71
-
結side
『なあ、分かってくれ…お前、必要なんだよ。要らなくなんかないんだ。お前がここに居ることで本当に俺は幸せなんだよ。
自分をそれ以上、責めんなよ。
聞いて。お前とまともに喋ったの、お前が腹痛で教室に1人で倒れてた時。あの時は正直、お前の腹痛が治ればいいなって思ってただけ。けどその後、泣いて家に帰りたくないって言った時に俺が、こいつを救ってあげたいなって思っちゃったんだよ。それが、俺がお前にハマった瞬間。その日からお前しか見えてないんだよ。
俺は周りに俺が好きって中途半端に言うやつがいるだけで、本当はそこまで必要とされてないんだよ。
だからお前が俺を心から必要としてくれているって知った時嬉しかった。俺がお前に救われたんだよ。
その後はお前と一緒に毎日学校で生活して、笑った時のお前のかわいい顔とか、すねた時の顔とか、体調悪いって時の顔とか、授業中当てられて無駄に緊張してる顔とか。今まで見れなかったお前の顔が見れてすごく嬉しかったんだよ。
俺がお前を必要としてるよ。だから、お前が悲しい顔をしていると俺も悲しくなる。』
動悸が止まらない。
目の前がぼやけて見えなくなってきた。
もう一度、春亜の手が俺の手に重ねられる。
大きくて、守ってくれる、安心できる手。
前を向くと、春亜が俺の手をみて微笑んでいた。
『俺はお前が俺に依存してるって、佐伯先生に言ったんだ。
だから、お前から距離をとったんだよ。俺だけじゃないから。お前の人生で、俺だけがお前の全てじゃないから。
言ってる意味、分かるか?』
目が合って、俺の頬を雫が伝う。
春亜が俺の顔に手を当てると指で拭ってくれた。
『けど、違ったよ。俺の方がお前に依存しちゃってた。
会えない間、お前が恋しくて、愛しくて仕方がなかったよ。きっとお前は俺に会いたいって泣いてるのかなって思うと、すぐに飛んでいって抱きしめてやりたかった。
ずっと、毎日そんなこと考えてたんだ。』
手を重ねるのからお互い、指を絡めて、離れないように握る。
お互いの体温が手から身体に伝わっていく。
春亜がその瞬間、嬉しいような、泣きそうな顔になっていた。
『もう無理だよ。本当は言わないでお前の友達でいようって、いい奴でいようってずっと思ってたけど、いざ思いを言葉にし始めたらもう止められない。
ごめん。
お前の事、愛してる。』
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
71 / 119