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【第三章 生徒編】イケメン教師、翌朝の学校で村田に脅される
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昨日のことが、うわさになっているに違いないと、小坂は恐れていたけれど、拍子抜けするほど、学校は、いつもと同じ風景だった。
周りの反応も、一人の同僚が、
「おっ、小坂先生、おニューのスーツですね」
といったきりだ。
ほかに小坂の外観に特に変わったことも見られないようだった。
このまま、いつもと同じ一日が始まるかに思われ、小坂は、ほっと胸をなでおろした。
校長がやってきて、いつものように職員会議が始まった。校長は、小坂と目が合うと、にやりと笑った。
しかしクラスに行くと、小坂は、顔をあげて生徒たちと目を合わせることができなかった。そんなことは初めてだった。
早々にSHRをすませ、職員室に戻ろうと廊下に出た小坂を、
「小坂せんせー、おはよー」
と引きとめたのは、生徒の村田悪照(おてる)だった。
「せんせー、いつもと雰囲気が違うね。もしかして、俺のせい?」
村田はからかいの口調で言ったあと、小坂の耳もとでささやいた。
「告げ口したら俺も訴えるし、あんたのヤバい写真バラまいてやるから」
「うっ……」
小坂は手で口をおおった。小坂はこみ上げる吐き気に耐えた。
「先生、大丈夫ですか?」
ふらついて廊下の壁に手をついていた小坂が振り向くと、色白で華奢な、級長の宮本桜児(おうじ)が立っていた。
「顔色が悪いですよ……」
宮本は心配そうに言った。
そうだ。この生徒に、聞きたいことがあるのだった。
「宮本、一時限目が終わったら相談室に来なさい」
小坂は、体裁を取りつくろって答えた。
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