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イケメン教師、調教師に生徒とのことを弁明する
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「生徒に欲情する教師には、相当な仕置が必要だ」
麓戸が言った。
「違うんです」
小坂は宮本や村田より十も年上だし、なにより指導者なのだ。
「僕は、生徒を心配して、問いただそうとしただけなんです」
小坂の弁明に、麓戸は、
「そして、美少年の手でも握って、興奮したのか?」
と唇の端をあげた。小坂は、はっとした。
「手がすべって……」
小坂は逃げようとする宮本の腕をつかみそこねて、手を握ってしまった。
宮本は小坂と目が合うと赤くなって、目をそらしそっぽを向いた。
そういえば、宮本は授業中、小坂が机の間をまわっていると、下を見たまま動きも止まっていた。小坂が立ち止まると、宮本のシャーペンの芯が折れたり、消しゴムでノートが破れた。
「僕は、生徒たちを、心配しただけなんです」
小坂の目には、宮本が村田に無理やり暴力を振るわれているように見えたのだ。
「愛出人は、最初から、生徒と○○○したいという下心があったんだろう?」
と麓戸が聞いた。
「違います。生徒が、僕の自慰を覗いていたんです」
小坂の自慰撮影を村田に覗かれたのだ。
麓戸が、頬をひきつらせて歯を見せた。
「愛出人の淫乱な姿を覗いて、興奮したんだろうな。愛出人の自慰する姿は、そそるからな」
麓戸は、小坂の黒髪をつかみ、再び小坂の頭を処置台の上に押しつけた。
わかってもらえない……。これまでの人生で、繰り返し感ぜざるを得なかった、あきらめの気持ちが、小坂の抵抗する気力を奪った。学習性無力感。
ただ、小坂の心の奥底に、怒りが、怒りの焔が、燠火のように燃えていた。蓋をしても蓋をしても、なくなりはしない、その怒りが、小坂を自傷的な行動に駆り立てていることを、このとき、まだ小坂は気づいていなかった。
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