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おかいもの
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「あ、豚バラ安い。豚キムでもしましょうか」
「うん」
「あと何にします?」
「んー、ナムルとか……?あ、ちょっとあっち見てくる」
「はーい」
横の通路へと曲がっていった敬吾を見送って、逸はまた精肉コーナーに目を戻す。
(あー、手羽元で鍋やって締めに雑炊したら出汁でててうまそー……)
そこへ、湯たんぽを持った敬吾が戻ってきた。
「ーーえ、敬吾さんそれ買うんですか?」
「へ?うん。最近寒いから」
「……………今日、鍋に変更です」
「え、いいけど……なにその手羽元なんか高くね?良いやつ?」
「そんなのねー、朝には結構な冷たさになってますよ?毎日毎日結構なでかさのやかんでお湯沸かして満タンまで入れなきゃ使えませんよ?」
「なにそのネガキャン、ボコってなって怖かった思い出でも抱えてんのか?」
「鍋食って内側から温まったらそんなの要りませんって」
「はー?風邪引いたら引いたで怒るくせになんだよお前は」
「そんなもんより準備いらないし朝まであったかい俺のほうがいいでしょ!」
「ーーーーーーー」
「……………笑いすぎ!!」
肉のケースに肘をつき、膝も砕ける勢いで敬吾は大爆笑していた。
公共の場だからと声を殺しているせいで相当に苦しそうである。
笑いの沸点が高いのか平素それほど笑わない敬吾にしては相当に珍しいことで、逸は流石に赤くなってきていた。
「…………っはーっ、あー苦しい……!なんなんだよ湯たんぽと張り合ってんのかお前は…………!」
「………そうですけど!?」
「馬鹿じゃねーの………あーーー、笑った……腹いてえー………」
「買うのやめますか?」
「やめないけど」
おわり。
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