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夜の帳の麻の布
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長い長い敬吾の吐息が、首元に乗っている逸の肩を撫でる。
充足感たっぷりのそれに、逸は擽ったそうに笑った。
敬吾の髪を撫でるために僅かに体を上げると、汗ばんで貼り付いた肌の剥がれる物理的な音がする。
そこを涼しい空気が通るのも心地よい。
汗に塗れた、湿気と熱気の坩堝のようなセックスも好きだがーー
熱帯夜の合間にこんな涼しい日があると、滑らかに肌を撫で合える、すぐに汗が乾く涼しさを暖め合えるセックスはやはり格別だ。
「ん………」
目元に逸の唇が落ちると、敬吾が心地良さそうに瞼を落とす。
これも不快度指数の低さゆえだ、暑いとこういう反応はしてくれない。
腹を撫で、脚を擦り合わせる毎の乾いた音も快かった。
それを楽しむように、敬吾の腕も逸の背中を撫でる。
「敬吾さん……」
「んー………」
敬吾の声は、やや眠たげではあるが。
「もう一回しましょうか………」
「………………」
逸は、夏の夜の気まぐれに感謝した。
おわり
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