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バ レ て る …………?
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「敬吾さん、逸くんにプレゼント用意してます?」
「え?してないよ」
と言うより、念頭になかった。
あちこちに散乱している包装紙やリボンの剥離紙、値札シールなどを一掃しながら敬吾は幸の方を振り返った。
「あ、違った、あるある。はいさっちゃんも」
「やったーありがとうございまーす!」
小さなお菓子の包みを受け取りつつ、しかし幸は半笑いになった。
「いやいやこういう毎年恒例スタッフ間のやつじゃなくてですね。そこそこちゃんとしたやつ」
「考えてもなかったよ……」
「あらら。逸くん用意してるっぽいですよ」
「えっ!!?」
「あーあ……」
敬吾は心底驚いていた。
驚いていたがーー考えてみれば当然なのか。
一応恋人同士なのであり、明日はクリスマスである。
しかし男同士でそんなことをするものなのか……という疑問と、それを上回る忙しさとで意識の彼方へふっ飛ばしてしまっていたのだ。
「つーか、なんでそれさっちゃん俺に教えてくれんの?」
「敬吾さん一方的にもの貰うのとか嫌な方でしょ」
「わかってらっしゃる……」
敬吾のしみじみとした苦笑いに幸は得意げに笑った。
「しかし……じゃあ何にすっかなあ……全っ然考えてなかったから候補もなんもない」
「難しいですよねープレゼントって」
「んー……。後で飯でもおごるかなぁ……さっちゃんも来る?」
「嫌ですよあたし逸くんとは仲良くしてたいです」
「え、それどういう」
「っていうかね敬吾さん」
「あなたにリボンを巻いてあげましょうか?」
「えっ」
おわり。
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