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ヒロイン以外には冷酷みたいなやつ
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「岩井くん」
「なんでしょう敬吾さん」
「預かりものだ。店長から」
「なんですか、手紙?店長から?」
「いや、『お客様の声』に入ってたんだと。事務局の人が持ってきた。投函されたとこがされたとこだから中身改めてしまってすみませんって半笑いで」
「えっなんすか、名指しでそんなのあんですか、俺にクレームってこと?」
「いいやぁ、ラブレターーー」
「………え〜〜〜〜…………」
「お前ほんっとそーゆーの喜ばねーよなあ」
「そりゃあ……敬吾さんだったら嬉しいですかー……?」
「いいや?誰だよおめーはとしか思わない。めんどくさいっつうかなんならちょっと気持ち悪い」
「俺さすがにそこまでは思ってませんよ」
「どうすんの?」
「え?」
「一応お客様の声には返事しなきゃなんないんだと。けど専用用紙じゃねーし貼り出すわけにもいかねーから、差し出がましいけど角が立たない程度にうまくお願いしますと事務局の人は言ってた」
「ああ、そういう……」
「そもそも差出人書いてあんのかそれ」
「書いてますけど、ほんと名前だけなんでどうしようも……つーか敬吾さんは見てないんですか?」
「見ねーよ、悪趣味な。若干気持ち悪くても回し見すんのは違うだろ」
「気になりません?」
「あ?」
「気になんないですか?どんなこと書いてあるか」
「ーーえ、いや……」
「優しくて笑顔がかわいいところが大好きです、恋人にしてくれたら嬉しいですって書いてます。まあどこの誰か知らないんでしようもないんですけど」
「聞かすな聞かすな」
「でもどうしましょうね?あの手紙書いたの自分です、返事下さいっていつか来られたら」
「どうって、女の子だろ書いたの」
「分かりませんよ?敬吾さん読んでないんでしょ?」
「いや、まあ」
「どうして欲しいです?」
「あ?」
「まあ事務局とか店長的には評判落とすようなことはして欲しくないでしょうけど」
「そりゃそうだろ、わざわざ」
「でも敬吾さんが手ひどく断れって言うなら、バッキバキに振りますよ俺」
「え、」
「優しくしましょうか?傷つけないように、嬉しいけどーって。それとも敬吾さん以外に興味ないってばっさり行きますか?」
「ーーーーーーー」
「残念だけど俺はそーゆー俺様少女漫画的なやつにはときめかない。」
「ちぇっ」
「誰かにだけ優しいのとかやめなさい」
「俺今ぺとろんの気分です」
※その後連絡なし
おわり。
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