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口唇ヘルペスね
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「敬吾さーーーー、……………」
急に差し込まれた敬吾の手の甲にくちづけてしまい、逸は眉根を寄せた。
「チューすんな、ヘルペスできてんだよ今」
「…………………えっ?」
「ヘルペス」
「えっ」
「えっ?」
逸があまりにも驚いた顔をして固まっているので、敬吾は怪訝そうに自らの唇を指差した。
「赤くなってるだろ。うつるぞ」
「えっ、口に?ヘルペス?」
「…………え?お前まさか性病の方だと思ってる?」
「……………それ以外にあるんですか?」
「あるわ!おまっ……知らねーのかよ!あーびっくりした!俺一瞬病気持ちだと思われてたの!?それとこれは全っっ然っっ別もんだから!!!」
「あっ………ああーーーーそうなんですか!!?全然知らなかった!すみません!!」
恐縮しながらも、慌てるやら恥ずかしいやらで逸は真っ赤になりながら謝罪する。
敬吾は呆れながらも胸をなでおろした。
「別の病気なのに名前一緒なんですか?」
「や、原因になるウィルスは一緒なんだけど、下に出来んのはいわゆる病気持ちのやつだけな。口とか手は、症状出てないだけで誰でも感染はしてるもんらしい。疲れてたり風邪気味だとできる」
「へえー……じゃあ俺今元気だから大丈夫じゃないですか?」
「や、いわゆる飛び火はするぞ」
「なんだー……」
あからさまにしゅんとして逸は敬吾の唇を見つめる。
「……確かにちょっと赤くなってますね。痛いんですか?」
「今はまだ大丈夫だけど……これそのうちぶつぶつになるんだよ。そうなると痛痒いっていうか………お前ほんとになったことねーの?」
「ないっす」
「へー。たまーに感染自体してないやついるらしいけど、そうなのかな」
「ですかね?基本健康なんでそのせいかもしれないですけど……」
「大人になって感染すると症状キッツイらしいぞ。はしかとかおたふく風邪とか、そういう感じで」
それを耳半分に聞きながら、逸は敬吾の唇に軽く触れてみていた。
「あー、ちょっと熱持ってる?かもです」
「手ーちゃんと洗えよ、ほんと飛び火するぞ」
「はい……………」
「あんま触るなって、かゆい」
「あ、すみません……」
手は離したものの、視線が外れない。
敬吾は訝しげに眉根を寄せた。
「……色っぽいですね」
「は?」
「ーーや、敬吾さん唇薄いじゃないですか。それが好きなんですけど……ちょっと腫れてるのもいいなって」
「何言ってんだお前」
「うつしてもらっちゃおうかなあ」
「やってみれば。万が一感染してなかったら口から顎からぶっくぶくに腫れて飯も食えねーらしいぞ。看病はしないからな」
「…………………」
やめといたようです。
おわり。
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