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11th LOVE
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『ごめん……、酒入ってたからって無理くり襲うようなマネしてごめん、義樹……』
確かに酒は入っていた。
しかし義樹は、覚樹に襲われたという認識はなかった。
今でも耳に残って離れないどこか物悲しいような、自分に許しを乞う微かに震えた謝罪の声。
『俺、今まで言えなかったけど、ガキの時からお前が大好きだった……。だから昔からαだのΩだのくだらない事でお前がいじめられたり酷いことされるのがほんとにキツくてさ。少しでもいいから守りたくて、いられる限りそばにいたんだ。でもお前がお袋といなくなって、すげー不安で死ぬほど寂しかったんだ……』
きっとその時声を上げて覚樹が泣いたのを見たのは後にも先にも一回きりだった。
そんなことを吐露するのも、ずっと思いを抱いていた義樹の前でだけなのだろうし、酒も入っていたから余計に秘めた思いが増幅してしまった結果なのだろうと今でも思う。
その時、その言葉を義樹に告げながら初めて声を上げて泣いたところを見た覚樹を慰めるように抱きしめて、義樹は自分からキスをしに行った。
『俺は覚樹に襲われてなんかない……。俺も覚樹が好きだった。……いつかコウと一緒になりたかったんだ……』
そして、二人の心が通い合ったそれから先は、言わずもがな朝まで寝かせてはもらえなかった。
その時に二人とも合意の上でαである覚樹がΩである義樹の項に噛みついて、一生離れることのない番となったのはまた別の話であるが。
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