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12thLOVE
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(今となっちゃいい思い出……、か……)
その夜の事を思い出す度に、いつまでも甘酸っぱい気持ちになるのが不思議だ。
本当は自分も一緒にいたい。
いつでも、どこでも、どれだけでも……。
もっと番らしく洒落たことの一つでも言えればいいのだが、生憎そんな事ができるような性格ではない。
そんな性格だったら、そもそも些細なことで悩んでなどいない。
メッセージを送った後、何の気なしに目をやった先には備え付けの鏡。
(……え、……なんで俺……笑ってるんだ……)
確かに嬉しかった記憶を思い出して、幸せな気分になったことは確かだ。
しかし、今は授業後の学校で一人。
それまで幸せな気分でいたのに、ふいに現実に引き戻されたかのように今はこの場にいない恋人との甘酸っぱい思い出が急にいたたまれなくなって、酷く恥ずかしい気分に陥った。
赤くなっていた顔を見て、自分を正気づかせるように頭をぶんぶん振って仏頂面に戻る。
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