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21thLOVE
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ドアには邪魔されないようにという意味も含め鍵は義樹が考え事をしている間にそっとかけてきたし、今いる準備室の窓には薄いカーテンが掛かっている。
日の光は通すが外からは見えない。校内は空調設備のおかげで過ごしやすい温度と湿度の設定になっていた。
「……は、はな、せ……」
抱きしめられたまま指先さえ動かせない義樹の頭に覚樹は顔を埋める。
「ん、……っ……」
「トモ、すっげーいー匂い……」
うっとりした甘い声。
「甘酸っぱい匂い……。うまそう……」
すん、と小さく鼻を鳴らしてやると、義樹は小さくひくりと身体を反応させる。
「……トモは、やっぱり俺がいないほうがいい?」
「!」
少し沈んだ声で覚樹は囁く。
その声は本当に寂しそうで、自分を心配しているようなそれ。
しかし、義樹は覚樹の顔をまともに見ることができないでいる。
「いない方がいいならそれでも構わない。……でもさ、今俺がトモをこの部屋から逃がしたらどうなるかわかってるよね? 番だから安心って言ってもこれだけ強い匂いじゃお前のフェロモンにすぐ人寄ってきて、これ外したらガッコの中で首筋、咬まれちゃうよ?」
指先を義樹の首に装着されているベルト状の装着物に滑らせる。
そのベルトは、義樹の項を守るために覚樹が着けさせた物だ。
番になったΩのフェロモンは項に咬みつき番になったα以外の人間には効果はないはずだった。
だが、なぜか義樹のフェロモンはヒート前後、覚樹以外の他の者たちまでをも誘引する効果が出てしまうのだ。
覚樹が言っていたことは過去に起きたことだ。それも一回や二回ではない。
同僚の教師たちはもちろん、中てられた生徒にすら手籠めにされかけている。
覚樹の前でだけ外すベルトを常時装着し続けることは二人で相談をした上で出た、その危機から少しでも義樹を遠ざけるための結論だった。
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