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23th LOVE
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覚樹は義樹が怯えたような挙動不審になると、顔にこそ出さないが動揺しているのが手に取るようにわかるような仕草で彼を安心させようとする。
それは義樹だけに見せる反応だ。
過去に何度も自分の危機の際に同じ光景を見てきたはずなのに、この光景は何度見ても慣れない。
「御子柴義樹っていうΩは俺だけのものなんだ……。誰にもやらないよ……。やりたくないもん」
そっと宥めるように頭を撫でてくれる。
自分を気遣うその腕の中で、義樹はゆっくり目を瞑る。
そして。
(……ズルいよ)
掛けられた言葉に安心して、そのまま覚樹に軽く身を委ねるように身体を預けた。
「ん、よくできました。……やればできる子義樹君だなっ」
抱きしめていた腕が解かれ、えへへ、と笑う声と一緒に頬を両手で包まれるような感覚を覚える。
「……こ、う」
「ドア鍵もしてきたし、トモも震えてるから治まるまでしばらくこうしてる。……ほんと、ごめんな?」
「……?」
自分が気づかない間に起こったことを告知された瞬間に己の置かれている状況を認識することなどよくあることで、それを指摘された瞬間に震えを止められなくなった。
「……ゃ……、だ……」
思っていることと正反対のことしか言えなった。さらに途切れた声しか出なくなって頭の中が真っ白になる。
でもその震えや声は、覚樹に触れられている手が一人ではないことを教えてくれていた。
「は、……なし……」
少しずつ身体から力が抜けるのがわかる。すでにもう自分の身体ではない感覚だ。
「断る。さっきも言っただろ? 誰も来ないから大丈夫。まあ落ち着け……?」
頬を撫でてくれる大きな手に、気持ちよさそうに目を細める
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