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5thLOVE
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目が潤んできたのがわかって、パジャマの袖でぐいぐい拭く。
(やだけど……、もう一人でいるしかないじゃんか……)
その涙もいつもならそっと優しく拭ってくれる指や唇があるのだが、それも今はない。
そこに、もう一つ通知音。
【明日から月曜の朝までもしトモがOKなんだったら、ずーっと一緒にいよう。ムリにじゃないからダメならダメって言ってな?】
(……ダメなわけ、ないのに……)
OKを出さない理由がない。ダメだと断る理由もない。
今だって一緒にいたい。
いつだって一緒にいたいのに、一緒にいようと言ってくれている覚樹を拒否する理由がどこにあろうか。
そんなことを考えている時、もう一つ音が鳴る。
【あと今夜もし一人で寝れそうもなけりゃ部屋暗くしてゆっくり目瞑って、何度か大きく深呼吸してみ? 結構寝れるから。どうしてもダメなら電話する】
既読スルーになるが仕方ないと思いながらも、彼からのメッセージを見た後に途端に訪れた幸せな気分のまま目を閉じた。
本当は彼の声を聞きたかった。
覚樹の腕の中でゆっくり眠りたかった。
だが、時間は日付が変わる間近の真夜中。
自分のわがままのために毎朝早く起きてランニングに出かける彼に無理をさせるわけにはいかなかった。
(目を閉じて……、深呼吸……)
彼が言うとおりに、ゆっくりと大きく深呼吸をしてみると心が急に落ち着いたのがわかる。
その時もよく覚えてはいないが、義樹は自然と笑顔を浮かべていたのかもしれない。
(おやすみ……、コウ……)
覚樹のことを思い浮かべながら目を瞑っているうちにいつの間にか眠ることができていて、さらに見た夢の中で、大好きな恋人とデートをしている夢を見た。
眠る前にいろいろ考えてしまって不眠症の気がある義樹だったが、今日は二人で眠る時のように朝までゆっくり眠ることができた。
それも、眠る前にメッセージをくれた覚樹のおかげなのかもしれない。
そう思った。
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