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プロローグ
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俺は、朝比奈恭哉。
ただのしがない男子高校生だ。
顔も普通、背丈も普通、体型も普通、勉強も、スポーツも普通。
普通すぎて、逆に普通ということが特徴といえるくらいだ(自分でも何を言っているのか分からない)。
しかし、俺を取り巻く環境は、普通ではない。
俺が通う私立桃柳学園高等部は、れっきとした男子校である。
さらに、それは都会ではなく、校外の山奥に位置しており、その広い敷地を使ってその内でなにもかもが手に入るようになっている。
さらに、そこに通うのはお金持ちのボンボンや、選び抜かれたエリートの卵的存在ばかり。
まあたまに、俺のようなちょっと親戚のコネを借りて入学できた一般人も紛れ込んではいるが。
まあそんなわけで、この学園は普通の学校とは違う、いうなればひとつの社会を形成している。
まず、この敷地内には男しかおらず、さらにそこから出ることもない。
ともなれば、男同志の恋愛が盛んになるのも無理はないだろう。
俺は御免だけれど。
男同志の恋愛に偏見はないが、自分が、となると話は別だ。
そこはちゃんと、女の子が好きだし、セックスするのも女の子限定なのだ、俺は。
まあ童貞だけど。
「ハァッ、ハァッハァッ」
ぱん、ぱんぱんっ、ぱんっ!
「ぁん、ぁんあん、ひぁぁっあん」
────今も聞こえたように、放課後には性欲真っ盛りの彼らは隠れていさえすれば場所を弁えず本能のままにセックスに至る傾向にある。
せめて自室でやってくれ、と俺は思うけれども。
…とまあ、他にも色々あるが、このように俺の通う学園はまあなんともクレイジーなのだ。
しかし、俺にとっちゃあ割と、平穏な暮らしが出来ていると思う。
目立った行動をしなければ目をつけられることもないし、友だちも普通にできる。
欲の吐き出し口が無い、というのはデメリットではあるが、俺は性欲が薄いほうなので自慰で我慢できるのでそこまで問題ではないのだ。
おっと、言い間違えた。
平穏な生活が【出来ていた】の間違いだった。
俺はこの時、放課後教室で読書中、生徒が隣教室で盛っているのをうんざりした顔で聞いている時には、全く知る由もなかった。
俺がこの後、真っ暗闇で二度と抜け出すことの出来ない、地獄に突き落とされることなど─────
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