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口君
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怪我をしている手を掴まれたから、母と兄が驚き、慌てて止めに入る。
でも、そんな二人に眉一つも動かさず、医者は冷静にまた俺の腕を触る。
腕だけではなく吊られている足も、ペタペタ触れてみたり、確認のようにコンコンとノックをするように叩かれて、痛くないか確認させられる。
痛くないかい?一応君の足や腕はぐちゃぐちゃに骨折しているんだけど。感覚はある?
…?痛くないよ。多分、もう治ってるんだよ。先生が触ってる感じはあるよ。
きっとそうに違いない。俺が寝ている間に骨と骨がくっ付いたんだ。
子供だから治るのが早いんだ。
でも医者はそれを否定するように首を横に振る。
君が寝ていたのはほんの六時間だ。骨も筋肉もまだ分裂して不安定な状態なんだ。治っていないんだよ。
そう言われて、じゃあなんで痛くないのか聞くと、医者は困ったようにカルテを見た。
麻痺している訳でもない、逆に当たった感覚はある……これは…精密検査してみようか。
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