アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
・
-
「嬉しくて?」
「うん。嬉しくて」
「泣いたの?」
そう聞くと蝮は困り眉をさらに下げて笑った。
「…変かな?恋人が出来たくらいで…やっぱり僕…」
あまりに蝮らしくなく寂しそうに言うので、大通りだからと離していた蝮の手を掴む。
「どうして変って思うんだよ。それ聞いて俺、蝮が俺と恋人になったのが嬉しくて泣いてくれるの、凄く嬉しいよ。だから変なんて言うなよ。それは自分にも、お前の事が好きな俺にも失礼だ」
「…ごめん……あ…」
声がいつもより少し大きくなり、通行人達がなんだなんだと此方を見始める。
それに蝮が気付いて焦ったような顔になる。
「口君…周りの人が…」
その顔がちょっと可愛くて、心が冷静になる。
「うん、そうだね。ごめん、大きな声出して」
「いいんだよ、大丈夫。ほら、野次馬がきちゃう前に買い物行こう。もうすぐだからね」
怒っていたのを謝った俺に、優しいままの蝮が手を差し出して、いつもの笑顔を見せた。
「うん」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
85 / 177