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「蝮、手伝うよ」
「あれ、もう終わったの?」
「うん。テーブル拭くだけだったからさ」
カチャカチャと洗ったものを水切り場へ置いている蝮に近寄り、水滴の付いた皿を手に取り、かけてあった別の乾いた布巾で拭いて片し始める。
「ありがとね〜」
「え?あ、こちらこそありがとう。キッチン借してくれて。ご飯も美味しかったよ」
「ん〜…それもだけど……」
急に感謝の言葉を述べられたから、ご飯の事かと思ったが、違うらしい。
洗剤を付けすぎたのか、薄ら赤い泡を飛び散らせながら洗う蝮は、肩をすくませた。
「他に何かあったっけ?」
「色々だよいろいろ〜」
「…」
「まあ、そんな深く考えなくていいよ。言葉だけ受け取ってくれればサ。はい、これで最後ね」
「うん」
渡された皿を拭いて棚に戻し、テーブルを拭いていた布巾と食器用の布巾をたたみ直して定位置に戻すと、蝮がくっつき虫みたいに背後から抱きついてきた。
「終わり?」
後ろにいる蝮を見やって終わったかを確認すると頬ずりされたから、よしよしと頭を撫ぜる。
「うん。鍋とかは食べる前に洗っちゃったからね」
「そうだったんだ…ごめん。俺、普通に寝てた…」
「大丈夫だよ。口君の可愛い寝顔も撮れたし」
「寝顔撮るなよ。白目剥いてたら嫌だ」
消してよ。と釘を刺すが、
「ちゃんと可愛いかったよ」
と全く無視。
というか、話がすれ違い過ぎている。
「いや、だから駄目だって……あ…」
「ん?なに?」
突然言葉を切った俺にどうしたのかと顔を覗き込む蝮を見合う。
「忘れてた…洗濯しっ放しだ。早く取り出さないと臭くなる」
俺の体にまとわりつく蝮の腕を退かして洗濯機の所に行こうとしたら、後ろから制止の声が聞こえて入口付近で振り返る。
「なに?」
「エプロン。血が付いてるから、もう一回洗濯機回すの」
蝮は自分の着ていたエプロンを脱いで、カウンターに置いたままだった俺のエプロンを手に取り、俺に近寄る。
「1人じゃ大変でしょう?僕も一緒に干すよ」
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