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外に出ると冷たい風が頬を撫でて、息を吐くと息が白い。ほんとに今日は寒い。
母のマフラーはこの色を除けば、機能性がよくて、とても暖かい。
…あれ、なんか忘れてる気がする…
なんだっけ?
蝮との約束も、夕兄のストーカー疑惑の話も嫌でも覚えている。
他に何を忘れてるんだろ。
「……あー…」
今日は一時間目から古典の小テストがあった。
忘れてた…。
憂鬱だ…背中のリュックに入ってる分厚い教科書が更に重く感じる。
少し猫背になりながら、それでも遅刻しないように早歩きになっていると、すぐに高校が見えてきた。
俺の家は通ってる高校から近い。
歩いて数十分で付くという素晴らしい理由で学校を選んだ。
だが、その距離の近さ以外の良さは入学してからこの寒い時期になっても未だ見つからない。
偏差値は大丈夫だったが、入ってみれば小テストと順位争いのオンパレードと強豪校ばりの部活動の凄まじい熱血さだった。
正直ついていけない。
もう少し大人しい感じの高校にすれば良かったな…。
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