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一階にある購買に行くと、沢山の生徒達がパンやらお弁当やらを買っていた。
「口は飲み物何がいい?」
「え?いいの?」
「さっき奢るつったじゃん。ほら、何がいい?」
「えと、んー…オレンジジュースかな」
「おっけ。じゃあちょっと待ってて」
高橋はそう言い残すと、スルスルと人混みを掻き分けて購買へ消えていった。
とりあえず邪魔にならないように壁に寄っておく。
この生徒の多さなら購買のレジも結構並んでいると思うから、高橋が帰ってくるのは数分はかかるだろうと、制服のポケットから携帯を取り出した。
暇つぶし程度の為にダウンロードしたアプリを開く。
積まれた動物を繋いで消すという最近流行っているゲームをしていると、周りがザワザワしだした。
何かあったのだろうか。
画面から顔を上げると、周りの生徒達が眉を顰めたり、耳打ちでコソコソと嫌な顔をしながら話たりしている。
しかも、みんなは同じ方向を白い目で見ていた。
奥の方からどんどん人が何かを避けるように道をあけていく。
俺は壁に寄っかかっているし、人もいるから、みんなが注目しているものが見えないので、前に立っていた生徒に何が起きているのか聞くと、他の人と同じように眉を顰めた。
「お前知らねえの?」
「?うん。なんでみんな道をあけてるの?」
「は?…ああ、こっからじゃ見えないのか」
だから何が起きているんだ。
「この学校のやつならみんな知ってると思ったんだけどな。あ、ほら来たぞ」
その生徒はその立っている場所を俺に譲って見せようとした。
ここからなら、何が注目されているのか分かる。
…え?
「蝮……?」
「なんだよ。やっぱり知ってるじゃん」
「いや、顔しか知らない…」
「有名だぜ?あいつ」
「なんで…」
「なんで?…そりゃあ…」
彼が前に会った時とは正反対の表情で、雰囲気でこっちに歩いてくる。
裏路地の時とは違い過ぎて、一瞬、別人かと思った。
隣にいたさっきの生徒が憎たらしそうに言った。
「あいつ、自分の親を殺したんだよ」
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