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最後の授業が終わると、素早く荷造りして図書館へ向かう。
部活に向かう人、帰る人、遊びに行く人の反対へ。
図書館は一年生の教室から遠いため、あまり利用しない。だから、ちょっと迷いそうになる。
あれ。こっちだよね?
どんどん進むと、やっと図書館と書いてある古ぼけたプレートが付いたドアを発見した。
カラカラと扉を横に引いて開けると、司書さんも生徒も誰一人いなかった。
「蝮は…いない…早かったかな?」
まだ着いていないのなら本でも読んでいようと本棚に向かう。
少し埃くさい本棚は、難しい本や小さくて可愛い本など様々な種類が並んであり、一冊だけ無難なものを選んで取った。
それを持ってさらに奥に進むと、小さい2人掛けのソファーが置いてあり、そこに座ろうと本を読みながら歩く。
「口君、その本好きなの?」
「わ」
俺が座ると同時に、背後から耳元に囁かれた。
驚いて振り返ると、購買の時の雰囲気ではなく、路地裏の時の顔と雰囲気を身に纏った蝮がいた。
「…おはよう」
「おはよう。遅れてごめんね。待った?」
「いや、今来た所だから大丈夫」
「そっか、じゃあ行こ〜」
蝮は俺の手を掴み、立たせるとここからさっさと出て行こうとする。
「ちょっと待って。まだ本読んでない」
まだ数ページしか見てないが、面白そうだから少し待って欲しい。
すると、蝮はチラッと俺が持ってる本を見たかと思えば、それを俺の手から奪いカウンターに進んだ。
俺の手を掴むのを辞めないまま。
「なにしてんの?」
「ん?ほら、読みたいなら借りればいいじゃん」
見せてきたのは本の中に付いている貸し出しカード。
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