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「怖くないよ」
「うん。昨日もそんな風に言ってたね」
どんどん風景が、道が、ひと気のない所へ、舗装されてない歩きにくい林に入っていく。
相変わらず蝮はニコニコとした顔をして、俺が転ばないようにしっかりと手を繋いでくれてる。
「じゃあなんで?……うわっ」
足が滑りそうになった俺に蝮は片手で俺の腕を引っ張り、転ぶのを阻止してくれた。
結構力が強くて、骨がゴリッと少し変な音がした。
でも別に折れてないから問題ない。
「見ちゃったからさ。購買で、口君が知らない奴と喋ってるの。ねえ、あいつって誰?」
「え、それは知らなかった…蝮がなんか噂されてるから近くにいた人に聞いただけだよ。名前も知らない人だよ」
「それ聞いてどうだった?」
「どうだったって?」
「うん。何かないの?」
「いや…別に何も?人を殺したとか、殺してないとか、あんまり興味ないかな」
そう言うと蝮は、僕とお揃いだ。と言った。
「一緒?どこが?」
「口君も何処か欠落してるよ。僕と一緒だね」
だからお揃い。
そう言って頭を撫でてきた蝮に、別に怒りが湧く訳でもないし、苛つく訳でもないから、本当にお揃いだなって少し納得した。
「口君」
「ん?」
「着いたよ」
ほらあそこと蝮が指した先には隠れ家の様な家があった。
「いらっしゃい」
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