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「そうした方がいいよ。あと、 生で食べたらお腹壊すよ?」
「そうなんだ。どうりで食べた後お腹痛いなって思った」
軽く蝮は言うけど、生のままって相当ヤバイと思う。
「ねえねえ口君」
「なに?」
「せっかく来たんだし、ご飯食べてかない?」
「ご飯?…ごめん俺今日7時までには帰らないと行けなくて…」
「そっかー…じゃあまた今度食べよう!」
また会う約束をされたけど、別に、嫌だとは思わなかった。
俺の周りにはいない感じで、新鮮で面白いと思う。
「今度ならいいよ」
「ほんと?」
「うん。でも、俺は人間食べないから」
これをちゃんと言わないと、肉の塊を出されそうだ。
いや、出される。
「えー美味しいよ?」
「蝮からしたら美味しいかもしれないけど、俺は牛とか豚とかがいいな」
「ふ〜ん…変なの」
「変て…あ、」
「どうしたの?」
しまった忘れる所だった。
「あのさ、蝮って何学年?一年生じゃないよね?入学してから一度も見た事ないんだけど」
「ん?学年?口君の一個上の二年生だよ」
「先輩…」
やっぱりとは思ったけど、なんだか先輩と呼ぶには似合わない。
「でも、先輩とかで呼ばないでね。蝮でいいからさ」
「うん」
「僕って先輩とか似合わないでしょ?」
「うん。そうだね」
「それに僕達恋人だしね」
「うん……うん?」
……?
今なんて言った?恋人?え?
「こい…こ、恋人?え?」
「うん?どうしたの?」
「恋人って……俺達が?」
「え?そうだよね?だって僕の事嫌いじゃないんだよね?僕も口君の事好きだし!」
だったらもう恋人だよ!
なんて変化球の回答を言いながら蝮はジリジリと笑顔で迫ってくるから思わず後ろに下がるが、ソファーの肘掛けに背中が当たる。
「ちょ、ちょっと待ってよ…」
「なあに?」
近い。
顔が近い。
離れないと何かヤバイ。
何か何か。
「えーと…あの…あ、あ…そうだ俺もう帰らなきゃ」
だからどいてと言うと存外にあっさりとどいてくれて、ふと、路地裏の時を思い出した。
「もう帰っちゃうの?」
「ごめん、今日はちょっともう帰らなきゃ」
残念と笑う蝮にもう何がなんだかわからない。
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