アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
・
-
それ以来誰とも友達以上の仲にはなった事がなかった。
だから蝮が急に恋人だと言った時は嬉しかったし少し焦ったが、隠せばいいかと思った。
けど、そうもいかない。
なにせ兄が自分のストーカーと化していた。
どうしよう。
「…夕兄…あのさ…」
「ん?どうした?」
「俺に恋人が出来たって…」
「うん。知ってるよ。蝮って奴でしょ?」
想定内な返しだけど、少し焦る。
「そう、だよ…えっと…男子だけど…」
「男子だけど何?全然いいと思うよ」
「えっ?ほんとに?」
まさかいいと言われるとは思わなかった。
女子が駄目なのに男子と付き合いうとなると、偏見の目とかあるんじゃないかとか、怒られるんじゃないかとか思ったりしたから、ホッとした。
「口が中学の時に連れて来たあの頭の軽そうな女よりいいよ」
笑顔で思い切り罵る兄にびっくりする。
でも、あの変な笑い方はしていないからまだ安全圏内なんだと思って、もう少し兄がどれくらい知っているのか探る。
「男だけどいいの?」
「そうだね。普通の人ならここで怒ったりするんだろうけど、別に何も言わないよ。今度連れておいで。話しがしたいな」
「うん…ありがとう夕兄。よかった…夕兄に駄目って言われたらどうしようかと思った」
「そんな事心配してたの?ほんとに口は可愛いね」
よしよしと抱きしめながら頭を撫でてくる兄に安堵して一息つく
「心配してた…あ、母さん達にはまだ言わないでくれないかな…」
「言わないよ。口がほんとに蝮が好きなら、覚悟が出来たら言えばいいよ」
「うん」
この時、夕兄が酷く冷たい顔をしていたのを俺はちゃんと見上げて見ればよかったと思ったのはすでに後悔を感じてからだった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
35 / 177